イラクの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
海外旅行の際に治安情報は非常に気になりますよね。
イラクに対して、危険なイメージを持っている方も多いと思います。
我々が生活する日本は治安が良く安全なイメージがあります。
こういったイメージを裏付けているのが、外務省が発表している「海外安全ホームページ」です。
ここには、様々な国の現状が掲載され、治安情報を知る上で欠かせないものです。
外務省が発表する「危険レベル」をしっかり理解して安全に観光を楽しんでください。
そもそも危険レベルは、大使館からの情報をもとに、領事局の管轄で作成されています。
そのため、現地からの情報を集積しそれらをもとに作成、公開しています。
ですが、1人が40ヶ国前後を担当しているので、詳細な情報まで分析がなされていないのも現状です。
しかし、人気な観光地や日本人がよく行く国に関しては詳細があるので事前に確認しておくことが非常に大切です。
一部ではあてにならないといった意見もありますが、確認して知っておくことも必要ですし、事前に対策が取れるので確認してください。
では危険レベルについて説明していきます。
危険レベルは「レベル1」から「レベル4」までにランク付けされています。
レベル1/黄色
「十分に注意してください」
その国や地域への渡航や滞在の際には危険を避けるために特別注意を払う必要があると言った認識です。
そもそも「危険レベル」は日本人の「生命・身体」に危害を及ぼす事案が存在し、それがある程度継続的に発生している場合や治安の悪化によって日本人に危害が及ぶ可能性があると言ったものになります。
だから、危険レベル1だからといって気を抜いてはいけません。
レベル2/山吹色
「不要不急の渡航はやめてください」
その国や地域へ不要不急な渡航・滞在はやめ、もし渡航・滞在する場合は特別な注意を払い、十分な安全対策をとる必要があると言った認識です。
危険レベルは、専門家でない一般旅行客に向けた情報で、不用意な渡航や滞在は避け、もしそれでも行く際にはガイドをつけるなどして安全対策をとってください。
レベル3/オレンジ色
「渡航禁止勧告」
その国や地域への渡航は,どのような目的であれ止めてくださいといった認識です。
場合によっては、現地にすでに滞在している日本人の方々に対しても、退避の可能性や準備を促すメッセージが含まれている場合もあります。
レベル4/赤色
「退避勧告」
その国や地域に滞在している方は滞在地から、安全な国・地域へ退避し、これから渡航や滞在を計画している方は、どのような目的であれ、渡航・滞在は止めてくださいといった認識です。
非常に危険な状態で、決して行っては行けません。
これは命に関わることですので、注意してください。
イラクの治安状況は?
イラクの現状は「危険レベル4」か「危険レベル3」です。
一部地域では「危険レベル2」ですが、全域で非常に危険があります。
そのため、観光目的での渡航は不可能なのが現状です。
情勢変化も激しく、治安は極めて悪いので滞在や渡航は非常に危険です。
治安悪化の主な原因としては、イスラム過激派「ISIL」による大規模なテロ行為が頻繁に起こることです。
市街地はもちろん、郊外でもテロ事件が頻繁に起こり、バスや電車といった公共の場を狙ったテロもあり非常に悪質なテロ事件が頻繁に起こっていました。
一度はイスラム過激派集団「IS]に対して勝利宣言をしましたが、過激派組織の残党勢力は、いまだに、テロを起こす力を持つといわれています。
イラクには今尚、テロを育む土壌が存在し、治安面で厳しい試練に直面しているのが現状です。
勝利宣言後にも各地で頻繁にテロが起こり、死傷者が多く出てしまっている現状です。
首都バグダッドの治安状況は?
2015年には日本とイラクの文化交流促進団体が主催したアニメイベントが開催されました。
「アルシャヘード記念碑」と呼ばれる青い桃が2つに割れたようなオブジェが印象的で、周辺には様々な施設があり人気観光地になっています。
他にもモスクなどがあり隠れた観光地としても人気なのですが、首都「バグダッド」は危険レベル4の地域で非常に危険です。
テロの危険はもちろんあります。
首都は、人も多くテロのターゲットになりやすい場所でもあります。
また、政治に対する講義デモも頻繁に起こり緊迫状態が続く現状があります。
そのため、治安状態が見込めない現状があります。
渡航は各自の責任で実際、渡航することは可能です。
日本からは行けませんが隣国からなら入国できます。
危険レベルを軽視して危険を自ら犯す行動に出れば、命を落とすトラブルに巻き込まれます。
日本人が想像できない危険が日常的に起こるのが首都「バグダッド」です。
不用意な渡航は控えてください。
いつか必ず、情勢は回復し安全に観光を楽しめる日がやってきます。
治安の悪いイラクでも気をつけるべき犯罪5選
イラクの人々はマイペースであまり他人を気にしない性格です。
親切な方が多く、何かあるとすぐ声をかけてくれます。
国民性自体は素敵ですが、やはりそうではない方々も存在します。
また、イラクでは警察組織が正しく機能していません。
そのため犯罪も横行してしまいます。
また、テロに関係する犯罪もあります。
軽犯罪というよりは直接、命に繋がるような犯罪が多いので注意してください。
気をつけるべき犯罪①:盗難
基本的に「盗難」は全ての国で気をつけなくては行けない犯罪です。
パスポートやお金など取られてしまえば2度と戻ってきません。
盗難に合わないためにも荷物から目を話さないことや必要以上に荷物を持ち運ばないことです。
また、盗難からクレジットカード情報が抜かれ別の犯罪に巻き込まれると言ったこともありますので持ち物には注意してください。
肩掛かのカバンで小さめのカバンがおすすめです。
大きい荷物を持っているだけでターゲットになりやすいので注意してください。
サコッシュのような小さくポケットがたくさんあるカバンで移動することをおすすめします。
気をつけるべき犯罪②:誘拐
日本人がテロに巻き込まれ「誘拐」されるという事件は起きています。
シリアで拘束されていたジャーナリストが解放されたニュースは日本でも有名に、その後に「自己責任論」として話題になりました。
イラクに限らずイスラム過激派武装集団がテロを頻繁に起こす場所では、誘拐は起こりやすいです。
日本でも「オレンジの服」をきさせられ、銃を突きつけられている映像を見た人も多いのではないでしょうか。
誘拐され、命の危険に晒されることもありますし、交渉の材料にされることもあるのでくれぐれも危険な行動は避けてください。
誘拐され帰国できるのは本当に奇跡です。
多くの方が命を落としています。
気をつけるべき犯罪③:強姦
「強姦」は神聖な行為という認識があるイラクでは気をつけなくては行けません。
もちろん全ての国民がこの意識を持っている訳ではありません。
しかし、一部の人は「強姦」に対してこう言った認識を持ち、巻き込まれる危険があります。
これは実際に起こった事件で、他宗教の少女を強姦しその後11ヶ月もの間、監禁したという事件がありました。
「イスラム国」の兵士は、少女を強姦する前に、今から自分がすることは罪ではない。
ということを、わざわざ説明してから行為にのぞんだそうです。
プレティーン(13歳未満の少女)は自分の、宗教のしきたりを守っていましたが、それらは関係ないと、自分の宗教のみを考えこう言った卑劣な行動に出ました。
そして、事が済んだ後、彼はもう一度祈り、宗教に対する献身を示す行為で強姦を締めくくったそうです。
IS(イスラム過激派武装集団)は奴隷制度を復活させると発表してから1年間もの間、ヤジディ教を信じる「マイノリティ」の少女や女性を組織的に監禁し、強姦を繰り返していました。
過激な宗教理論の中にISは深く組み込まれているのが現状です。
こう言った被害に合わないためにも注意が必要です。
気をつけるべき犯罪④:殺人
2003年にイラク戦争に集結宣言が出されて以降、イラクでは頻繁にテロ事件が発生しました。
イスラム過激派や旧政権の残存勢力によって度々、殺人が行われています。
政治的な話に、一般人が巻き込まれ、交渉の材料として誘拐されたのち、殺されるという事件も過去幾度となく起こりました。
こう言った被害に合わないためにも、危険レベルを意識して近づかないこと。
巻き込まれないために、興味本位の危険な行動はしないことを徹底してください。
日本でも殺人事件は起こります。
こんなに安全と言われている日本でも起こるのが殺人事件です。
それが、ここまで危険な国ではどうでしょう。
テロという卑劣な行為で多くの人が命を落としています。
気をつけるべき犯罪⑤:テロ
イラクで起こる犯罪の多くがこの「テロ」によるものです。
イスラム過激派集団による「テロ」はイラク国内に止まらず、世界中がターゲットになっているのが現状です。
国内情勢が不安定で「テロ」事件が非常に起こりやすい現状をしっかり理解してください。
人々が楽しく食事している時間や、お祈りを捧げている時間と人々が多く集まる時間帯や場所を狙っています。
2016年には首都バグダッドでもテロが起こりました。
死傷者数のべ500人以上で非常に悪質なテロ事件で、多くの犠牲者が出ました。
犠牲者の多くが子供で、心が痛くなりました。
テロ事件は必ず起こります。
気を抜いてはいけません。
治安の悪いイラクでも注意するポイント10選
日本とは全く異なる文化や歴史がある「イラク」で日本と同じ感覚は通用しません。
完全な異国です。
宗教意識が強いイラクでは、常識と思ってることが、全く通用しないなんてこともたくさんあります。
全く違うという認識を常に持ってください。
そんな異国の地では注意しなくてはいけない点がいくつかあります。
治安の悪いイラクで、注意しなくてはいけないポイントを説明します。
注意するポイント①:イラクで多額の現金は持ち歩かない
イラクで現金はあまり持ち歩かない方が無難です。
現金を持っていると狙われやすくなります。
お金がない人をターゲットにするより、お金がある人を狙いますよね。
チップ文化があるので多少の現金は必要ですので少額のみ持ち歩くようにしましょう。
クレジットカードがほとんどのお店で使えるので、そちらを利用してください。
また、両替はすごく手数料を取られます。
トータルでみてすごく損をしますので極力、両替は控えた方がいいです。
現金は少額のみ持ち歩くようにしてください。
注意するポイント②:外国人旅行者には慣れていない
そもそも観光地として認識されていないイラクでは、観光客が訪れることは珍しいです。
だから、観光客に慣れていません。
興味津々でこちらを見てきます。
観光客慣れしている他のアジアの国々と比べると全く客引きもなく、むしろ恥ずかしがって話しかけてきません。
こちらからアクションを起こすと、話しかけてくれたりします。
また、マイペースで親切な国民性で困ったことがあれば助けてくれます。
だから、いきなり常識ハズレな行動をしたら、嫌われます。
常識の範囲で行動してください。
注意するポイント③:外出時には、時間や行き先を関係者に伝える
「何時にどこに行く」「何時に帰ってくる」と言った自分のスケジュールを、きちんと報告してください。
ホテルの方や、現地のガイドさんなど何かあった時に対処してくれます。
目的地までに移動中に誘拐され監禁されると言った事例があります。
もし、こうなってしまった場合に自分の身の安全は自分で守るしかありません。
しかし、拘束されてしまったら何もできません。
そういった時に自分のスケジュールを伝えておくことで、「何かあったのでは」と、代わりに誰かが警察等に連絡してくれます。
そうなると助かる可能性が格段に上がりますので、事前に自分の行動スケジュールは伝えておきましょう。
注意するポイント④:差別意識があります
自分の宗教をもっとも強く信仰しています。
それ以外の宗教に対して、一切の興味を示さないので差別意識があります。
自分たちが信仰するものこそ、絶対という認識を持ってる方もいます。
もちろん全ての方がそうではありません。
優しく受け入れてくれる方もいますが、そうでない人もいます。
そうでない方々は、自分の宗教を軽視されたり、従わなければすごく嫌な目で見てきます。
中には、暴力で従わせようともしてきますし、殺してしまうこともあります。
「郷に入っては郷に従え」ということわざがあるように、イラクにいるのだから、少なからずイラク国民が考える思想は理解してください。
注意するポイント⑤:宗教的な習慣の違い
イラクは国民の大多数がイスラム教徒です。
イスラムの戒律に基づいた習慣に注意を払う必要があります。
女性の肌の露出や飲酒等に関して、厳しい制約があるので注意してください。
地方へ出向く場合には、女性は肌や髪を露出しない服装を心がけてください。
また、男女隔離の伝統があり、むやみに異性に、握手を求めたり話しかけたりすることは避けてください。
日本とは習慣が大きく異なります。
それを間違えると犯罪に巻き込まれたり、大きなトラブルに繋がることもあります。
注意するポイント⑥:宗教を軽視しない
お酒が禁止されている場所での飲酒は非常に悪質な行為になります。
また、男女が区別されてるものは絶対に守らなければいけません。
女性用トイレや女性専用車両に間違えでも入ろうとすると、いきなり殴られることもあります。
イラクでは現地の習慣に注意してください。
こういった行為が宗教を軽視しているとみなされトラブルや身の危険に繋がります。
絶対宗教を軽視しないでください。
現地の方々にとっては、とても大切にしていることで、それを馬鹿にするような行動や言動は避けてください。
注意するポイント⑦:闇両替屋は使わないように
政治的に、諸外国との関係があまりよくありません。
多くの国から、経済制裁を受けているのが現状です。
貿易も盛んではないので、外貨を得る手段が限られてしまいます。
そのため外貨は非常に価値があるものです。
街中にいくつも点在している闇両替所は国の認可を受けずに営業しているのでレートは無視です。
なんかしらのトラブルが起こりますし、そもそも闇両替所は違法なんで利用しないことです。
注意するポイント⑧:薬物には注意して
「ISIS」の戦闘員は薬物を与えられ戦闘に向かいます。
過激派集団の中には、家族を誘拐され無理やり戦闘に向かわされている兵士も存在します。
そんな兵士たちの貧困と心に付け込んでいるのです。
そこで、薬物を渡し「幻覚を起こさせる薬で、これを飲んで戦闘に行くと、自分の生死はどうでもよくなる」と伝え戦闘に向かわせるそうです。
こう言ったように、薬物が出回っています。
簡単に手に入るので、注意が必要です。
所持しているだけで直刑です。
場合によっては死刑まで行く重罪なので、くれぐれも注意してください。
注意するポイント⑨:女性は注意して
イラク人女性は、「体のライン」や「髪の毛」など、異性に対して、性的な印象を与えるものを隠しながら生活しています。
外国人でも、このルールには従う必要があります。
ですが、一部の男性の中には、外国人に対してなら多少、ハメを外しても良いと考えています。
外国人女性だけで街を歩いていると、付け回されたり、すれ違いざまに触られたりします。
女性だけで行動するときは注意してください。
必要以上に近寄ってくる男性に対しては、はっきり拒絶しましょう。
注意するポイント⑩:行動のパターン化を避ける
行動をパターン化するとターゲットになりやすいです。
「いつもここにくる」「いつもここを通る」など行動がパターンかされると狙いやすく計画が立てやすくなります。
特に日本人は絶好のターゲットです。
政治的問題が関与しその材料に日本人はもってこいです。
だから、常に狙われています。
誘拐の計画を立てる際に行動パターンは非常に重要です。
日本人ジャーナリストが多く拉致監禁されていますが、彼らもいきなり拘束されたのではなく、ある程度日本人がここにくるという情報を元に拉監禁されました。
行動のパターン化はさけ、事前に決めたルートではないルートを通ることも時には必要です。
治安の悪いイラク、戦争の危険性はある?
今後イラクで戦争が起こる可能性はあるのでしょうか。
ここでポイントになるのが、世界情勢です。
特にイラクとイランの政治関係や、アメリカとの関係が非常に重要です。
イラクとイランを取り巻く中東の情勢は何世紀も前からいくつもの戦争が行われてきました。
中でも、イラク・イラン戦争は、現代史において残虐で悲惨な戦争だったと言えます。
8年にも及ぶ長期戦争で多くの犠牲者がでたことは忘れてはいけません。
中東諸国における政治による暴力が浮き彫りになった事件です。
現在中東では、シリアやサウジアラビアと言った国で緊張が続いています。
こう言った流れから、戦争に発展する可能性は十分にあります。
ですが、戦争から生まれるものなど何もありません。
失うものばかりです。
それを各国の首脳陣は理解しています。
すぐに、不用意な戦争は始めないと思います。
それから、アメリカがどう絡んでくるかもポイントです。
現大統領トランプは、アメリカが、2003年にイラクに武力攻撃したのは「史上最悪の決断だった」と非難しました。
それのも関わらず、国家安全保障問題担当に大統領補佐官「ジョン・ボルトン」元国連大使を据えました。
もはやアメリカでイラク戦争を擁護する人は、ほぼいませんが、ボルトン氏は未だにイラク戦争擁護派です。
「ルーズベルト」元大統領の発言を引用し、「毒ヘビが襲ってきそうなら、かみつかれる前に踏みつぶす。我々にとってイランと北朝鮮が保有する弾道ミサイルや核兵器こそ、21世紀の毒ヘビだ」と述べました。
こういた中東諸国とアメリカの間での緊迫した状況は戦争に発展する可能性を秘めていますが、トランプ氏がそこまで大きな武力行使に出ることは考えにくい。
彼は不動産王としての一面もあり、ビジネスマンとして交渉を得意としています。
アメリカが損になるような行動は取りにくいと考えるのが妥当ではないでしょうか。
戦争が起こる危険は正直あります。
それでも必ず、治安は回復に向かいます。
そして、戦争の危険がない国に生まれ変わっていきます。
治安の悪いイラクでテロの危険性はある?
結論から述べると、イラクでテロの危険はあり、非常に危険です。
これまでにも多くの犠牲者がでました。
イスラム過激派集団によるテロは世界中であります。
それ以外にも政治に対しての不満などテロの理由は様々です。
情勢が安定するまで「テロ」の危険は続きます。
アメリカ軍が撤退して以降、また治安が不安定になったイラクでは様々な対策が取られていますが、未だに効果的な対策は見つかっておらず、不安定な状態が続いています。
今後、様々な政策の中で安定していくと信じています。
イラクを安心して訪れることができる日はくるのか?
安心して、イラクを訪れることができる日は必ずきます。
今はまだ、危険が伴い安全とは言えません。
日本だけでなく欧米諸国の方々もイラクへ渡航を希望する人が増えているそうです。
それは、現状とは全く違う無法地帯への憧れが強いと思います。
しかし、そんな興味本位な行動だけで、家族や友人を悲しませる結果に繋がります。
必ずイラクを安心して訪れる日がきます。
その日まで待ってください。
きっと素晴らしい観光が待っています。
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