【治安の前に】シリアってどんな国?
シリア・アラブ共和国(シリア・アラブきょうわこく)は、中東と西アジアにあるにある共和制国家です。
北西は東地中海が広がっており、北はトルコ、東にはイラク、南にはヨルダン、西にはレバノン、また南西にはイスラエルと国境を接しています。
人口は1827万人(2017年)ほどで、面積は日本の約半分の18.5万平方キロメートルです。
アラブ人が人口の約90%を占めているので言語は主にアラビア語になり、通貨はシリア・ポンドになります。
首都はダマスカスで、シリア北部のトルコ近くには、シリア最大の都市であり、最古の都市の内の一つであるアレッポがあります。
アレッポには中東や欧州各国と結ばれている、アレッポ国際空港がります。
世界遺産は、1979年に登録された、古代都市ダマスカスや1980年に登録された古代都市ボスラ、パルミラ遺跡など現在5つの世界遺産を所有しています。
これら5つの世界遺産は2013年に危機遺産としても登録されました。
「シリア」という言葉は、国境を持つ国家とゆう意味ではなく、周辺のレバノンやパレスチナを含めた地域を指すこともあります。
また、2011年3月15日に起きた一連の騒乱により、シリア政府軍とシリアの反体制派と、反体制派同盟組織などによる内戦が続いていており現在も非常に危険な状態が続いています。
シリアの治安を知る前に務省が発表する危険レベルをおさらい
外務省の出している海外安全ホームページに記載されている情報では、現在シリアはレベル4の赤色でした。
レベル4の赤色とゆうのは、最上級に危険な状態で、新たな渡航は絶対に止めてくださいとゆう意味です。
レベルごとに意味と主な地域と国についてまとめてみました。
レベル1/黄色
その国や地域への渡航や滞在は危険を避けるため、十分に注意する必要があります。
主なレベル1の黄色の国には、サウジアラビアや、ウズベキスタン、ロシアや中国の東の一部もこれに属します。
レベル2/山吹色
その国・地域への不要不急の渡航は止める、またはやむ終えず渡航する場合には特別な注意を払い、十分な安全対策をとって渡航する必要があります。
主なレベル2の山吹色の国には、エジプト、パキスタン、フィリピンの南部もこれに属します。
レベル3/オレンジ色
その国・地域への渡航は、どのような目的でも渡航は止めてください。
また現在現地に滞在中の日本人にも、退避や退避準備のメッセージも含まれていることもあります。
主なレベル3のオレンジ色の国には、チャドやアルジェリア南部がこれに属します。
レベル4/赤色
その国・地域にはどんな目的があっても新たな渡航は絶対に止めてください。
また現地に滞在中の方は、安全な国または地域に退避して下さい。
主なレベル4の赤色の国には、シリア、イラク、リビア、アフガニスタンなどが属しています。
こちらのサイトで各国のレベルが確認できますので、ご覧ください。
国 ・地域別の海外安全情報
シリアの治安状況は?
首都ダマスカスの治安状況は?
シリアの世界平和度161位で、世界平和度ランキングではアフガニスタン、ソマリアに続きワースト3位です。
余談ですが、1位はアイスランドで日本は6位でした。
首都のダマスカスですが、(ダマスクスと表記される事もあります)治安は、先ほど申したシリア政府軍とシリアの反体制派と、反体制派同盟組織などによる衝突や自爆テロが散発的に起こっており、非常に危険な状態です。
2017年7月にもダマスカス東部でイスラム過激派組織(IS)やイスラム過激派集団の、自爆犯1人(運転手)が車を爆発させ18人もの死亡者を出すなど頻繁にテロが起こっています。
2011年からの内戦で主要都市が荒廃していますが、首都ダマスカスでは、大規模な内戦が起こるまでは非常に安全な都市で女性が、夜外に出歩く事も可能なくらいでした。
中でもダマスカスには、古代都市ダマスカスとゆう世界遺産にもなっている旧市街に残る歴史的な構造物があります。
古代都市ダマスカスは、ローマ時代にまで遡るほどの城門と城壁に囲まれた、世界一古くから人が住み続けている都市として知られています。
旧市街の東西に走る「まっすぐな道」は、新約聖書にも登場するほどです。
なんとこの古代都市ダマスカスは、世界遺産世界ランク39位のバチカン市国に次いで40位にランクインしています。
このような美しい世界遺産があることから、内戦前までは人気の観光都市で日本からも多くの観光ツアーなどがありました。
また、シリアにはダマスカス大学人文学部日本語学科、ダマスカス大学高等言語学院日本語科、アレッポ大学学術交流日本センターがあり留学先としても知られていました。
しかし今では内戦の勃発で、50万人以上もの人々が命を落とし、第二次大戦以降最大の難民危機(内戦前のシリアの人口の半数近く)と約22兆円もの再建費用が必要となるくらいの都市の破壊が今なお起こり続けています。
2012年3月には在シリア日本大使館も治安情勢の悪化に伴い一時閉館しています。
治安の悪いシリアでも気をつけるべき犯罪5選
1. 拉致、誘拐
シリアでは、イスラム過激派組織が計画的に日本人を含む外国人ジャーナリストなどを拉致・誘拐しています。
また現地のシリア人も、家に一人でいたところに黒マスクをし武装した男たちが襲撃し、拉致されるなどの被害がありどこにいても危険ということになります。
2. 拘束
シリア拘束といえば、まだ記憶に新しいフリージャーナリストの安田純平さんですよね。
彼はシリアに入国し、その後3年間行方が分からず過激派組織に拘束されていました。
拘束されている間、様々な暴力を受けていました。
4時間身動きをしてはならない、8ヶ月間水に浴びることを禁じられる、24時間、範囲が1.5mの中で足を延ばして寝てはいけないなど想像しただけで苦痛になります。
彼らは身代金目当てで、外国人を誘拐し拘束します。
特に狙われているのがジャーナリストでが、彼らは様々な国に行き取材をしているので危険な場所での立ち振る舞い方を知っています。
しかし観光客は何も知らず、危ないところに行ったりしやすいので、難しいですができれば現地の信用のある人や、何度もシリアに訪れたことのある人と一緒に行動しましょう。
間違えても一人では行動しないで下さい。
3. 殺人
2012年夏に、北部のアレッポで取材中の日本人ジャーナリストが銃撃を受け、死亡する事件が起こりました。
内戦で銃弾が飛び交う街では流れ弾による被害に合う確率が高く非常に危険です。
少しでも騒ぎが起こっているな、と感じたら早めにその場を去りましょう。
4. テロ
首都ダマスカスでは、爆弾テロ事件や砲弾の着弾が散発的に発生しています。
日本人が巻き添えになるおそれも高く、2015年の邦人殺害事件後には、今後日本人を更なる攻撃の標的とする事をISILは警告しています。
5. 武装強盗
シリア国内では内戦の混乱に乗じて犯罪集団が、外国人を標的とした強盗が後を立ちません。
脅された時に、抵抗すると殺されてもおかしくありません。
悔しいですが、金目の物を渡し身の安全を第一に考えましょう。
治安の悪いシリアでも注意するポイント10選
まず新たな渡航すら認められないシリアで注意するポイントと言っても意味が無いかもしれませんが、近隣のトルコやイラク、エジプトなど中東に旅行される方は共通する部分もあるかと思うのでまとめてみます。
1. 言葉(英語は通じるの?)
シリアでは主にアラビア語が使われています。
アラビア語には地域によって方言がり、シリアではパレスチナ、レバノン、ヨルダンなどで使用されている方言と同じです。
英語は基本的に高級、中級ホテルでは通じますが街中では通じません。
なので行く前にアラビア語の勉強をしておく事をおすすめします。
簡単な挨拶はこちらです。
こんにちは:アッサラーム・アライクム
調子はどう?:イザイヤック
ありがとう:シュクラン
いくらですか?(値段):ビカーム
さようなら:マア・サラーマ
はい(イエス):ナアム
いいえ(ノー):ラー
また、ごめんなさいは男女で違うので注意してください。
男性は、 アナー アーシフ
女性は、アナー アーシファ
最低限このくらいは、自然に言えるようにしておきましょう。
2. シリア気候
シリアと日本の時差は冬は7時間です。
日本が7時間進んでいるので時計を7時間戻しましょう。
夏場のサマータイムでは時差は6時間となるので、6時間時計を戻すとシリアの現地時間になります。
気候的にはほとんどが砂漠なので、雨は少なく1年中乾燥しています。
夏は36度近くまで上がり冬は、0度まで下がり雪が降ることもありますが、マイナスになるほど下がる事は滅多にないです。
春と秋が短く、変則的な四季になっておりますが体感温度が18℃〜27℃くらいの6月中旬〜9月中旬までが訪問するのにベストな時期だと考えられます。
おすすめしないのは、やはり冬です。
寒いのは、もちろんですが乾燥しているので余計に寒く感じてしまいます。
3. 女性の服装(エジプト、アラブ首長国連邦などイスラム教国共通)
シリアでは90%がイスラム教です。
なので女性は外で手と顔以外を見せてはいけないことになっています。
旅行者がこのような格好する決まりはありません。
ですがシリアなどのイスラム教の国々で、日本では普通の格好(半袖やスカートなど)を着用していては目立ちすぎます。
できれば現地の女性と似たような格好をしましょう。
例えばゆったりとしたワンピースを着用し、顔にはスカーフを巻くなど。
少々めんどくさく感じるかもしれませんが、身を守る為にはとても大切なことです。
なぜなら女性が肌を出すことはイスラム教の人からすれば、はしたない事と思われています。
もし、日本でも外国人の女性が下着姿で歩いていたらどう思いますか?
かなり目立ちますよね。
そしてその女性は普通の服装をした外国人女性に比べて、変な人に話しかけられたり痴漢などの犯罪に巻き込まれる可能性は確実に上がるでしょう。
このような事を避ける為に必ず現地に行く前に、着替えを済ませておきましょうね。
注意する点は現地に着いてから、ではなく着く前にです。
最悪、飛行機のトイレで着替えると良いかもしれません。
4. 食べ物や飲み物
シリアといえばレバノン料理。
また宗教の話になりますが、イスラム教の方は豚肉を食べません。
主に肉は、鳥か羊を食べます。
特に羊は非常に美味しく丸焼きにし、骨以外全て食べることができす。
丸焼きなので、目玉や舌まで食べられます。
お肉にはヨーグルトをかけて頂きます。
また、アラブのお料理は豆やゴマをペースト状にしたたり、ヨーグルトのペーストをパンにつけて食べるそうです。
シリアではピスタチオがよく食べられていることから、デザートはピスタチオのケーキが有名です。
ミネラルウォーターは1.5Lペットボトルで25SYPくらいです。
また、アルコールもイスラム教の方は飲みませんのでお酒の好きな方は、気をつけてください。
5. インターネット環境(Wifi情報)
どこの国に行くにも、重要になってくるはインターネットの通信方法ですよね。
最近ではマップもホテルの予約も、レストランも翻訳さえもスマートフォン一つで出来てしまいます。
シリアの高級ホテルなどは無料Wifiがあるのですが、やはり街中は皆無です。
大人しくポケットWifiを持っていきましょう。
シリアで使えるレンタルのポケットWifiはあまり種類がありませんが、有名なビジョン社のグローバルWiFiや、フォートラベル GLOBAL WiFiなどがおすすめです。
また、アマゾンなどで事前にSIMカードを購入してSIMフリー端末に挿入してから渡航するのもいいかもしれませんね。
6. 予備バッテリー
シリアでは各地、停電している確率が非常に高いです。
スマートフォンやパソコンが使えない状態ほど不便な事はないです、
モバイルバッテリーは必ず携帯しておき、充電できる場所では満タンにしておく事をおすすめします。
最近では大容量のものも増えてきましたので、容量の大きなモバイルバッテリーを購入しておくとさらに安心ですね。
機内持ち込みが制限される航空会社がありますので、ご利用される航空会社の持ち込み規定をご確認下さい。
ちなみにシリアの電圧は220Vです。
周波数は50Hzで、プラグは、Bタイプ、Cタイプの2種類なので両方持って行きましょう。
プラグに加えて、テーブルタップを持って行くと一つのプラグから、2、3種類一気に電気製品を使うことが出来ますのでかなり便利です。
7. 予防接種(中東全般)
現地に行く前に必ず受けておいた方が良い予防接種。
まずどのような病気が流行り、感染症対策としてどのようなワクチン接種が効果的なのか調べる必要があります。
クリニックによっては健康状態や過去のワクチン接種履歴、行く国や期間など相談することによって先生が予防対策を考えてくれるとこもあります。
また持病をお持ちの方はその疾患が安定しているのを、かかりつけ医に確認してもらいましょう。
そして、ワクチンを接種し4〜6週間たった免疫を充分につけた状態で出発できるようにしましょう。
接種しておきたいワクチンは
・A型肝炎…汚染された水で洗われた食物を生で接種すると感染します。
途上国への一般的な旅行で宿泊施設など利用した際も注意が必要です。
・B型肝炎…事故に合ったりや歯医者さんに行き治療を受ける事になると、HBVウイルスに感染する危険性があります。
未接種の方は必ず受けておきましょう。
・狂犬病…獣医さんは必ず受けて下さい。
旅行者も外でキャンプや、ハイキングなどする予定のある方は受けておきましょう。
・腸チフス…小都市や田舎に滞在する方は受けましょう。
また、ルーティーンワクチン(インフルエンザ、風疹など)を受けていないものがあれば必ず受けておきましょう。
こちらは、海外旅行のご予定がない方も受けておく事をおすすめしています。
8. 保険(全世界)
どこの国に行くにも、海外旅行前には必ず海外旅行保険に加入しておきましょう。
治安の良い国でも、盗難被害は国内に比べてかなり高いです。
たくさんの思い出の写真を納めたカメラや、大切な資料の入ったパソコンなど盗まれてしまった…
またシリアなど危険な国に行く場合は、訪問中の事故や怪我などのリスクが非常に高いです。
こちらのサイトでは保険料や補償内容など様々なものがあるので、ご自身に合ったプランを見つけて見てください。
シリア 海外旅行保険
9. お金はどうしたらいい?
シリアの通貨はシリアポンド(SYP)です。
1SYPで約1.5JPYです。(2019年)
現金を高額で持ち歩く事は絶対にやめましょう。
カードであればカード会社に連絡をし、すぐに使用停止に出来ますが現金は取られたら終わりです。
しかし少額の現金であれば、持っていて便利なこともあるので小額紙幣をたくさん準備して行くのが賢いです。
万が一お金を出せと、脅されても小額紙幣のみの財布を渡すことが出来ます。
カードや大金を渡すよりましですよね。
脅された時は抵抗せずに大人しく現金を渡すのが安全です。
そしてシリアで日本円を両替するのは、ほぼほぼ無理です。
シリア以外でもイランやパキスタンなど中東では、日本円を受け付けている銀行ほぼはないのでアメリカドルを持って行くのがおすすめです。
10. テロ、武装組織に要注意
残念ながらシリアには、現在安全と呼べる場所はありません。
高級ホテルですら爆破されたり普通の民家ですら誘拐されたりします。
テロや武装組織を避けて通る事は現状難しそうです。
治安の悪いシリア、戦争の危険性はある?
シリアでの、戦争の危険性はとても高いです。
内戦だけでなくシリアに向けて、他国のミサイルが発射されたとゆう報道をよく目にします。
2017年4月には、アメリカ軍による(イギリス、フランスと共に)シリアを攻撃したと、アメリカのメディアは報じました。
また、2018年9月15日にはイスラエルがシリア首都ダマスカスの空港に向けてミサイルを発射したと報じ、この時イスラエルは過去18ヶ月の間にシリアで200回以上の空爆を行なっていた事を認めたりと、今にも戦争が起こってもおかしくない状態です。
治安の悪いシリアテロの危険性はある?
テロはいつどこで何が起きるかわからないものですが、いうまでも無くシリアはテロの脅威が極めて高い国です。
自爆テロや、銃乱射の他にもシリアではこれまで何度も化学兵器によるテロも発生しています。
化学兵器とは、毒性によって死亡または、他の害を引き起こす化学物質の兵器の事を言います。
例えば、爆弾やロケットミサイルなどは人を即死させることが出来ます。
つまり痛みや、苦しみを感じる暇はありません。
しかし、化学兵器は人間の酸素をゆっくりと奪い窒息死をもたらします。
爆弾などと違い、苦しむ時間が長くとても恐ろしいものです。
首都のダマスカス近郊では2013年夏にサリンを使ったテロが起こり、何百人もの民間人が亡くなりました。
2013年以降も100件を超える化学兵器による事件が発生しており今なお、化学兵器を使った人殺しは続いています。
シリアの治安はいい?悪い?観光時に注意するべき犯罪や安全点を紹介まとめ
シリアは2011年から続く内戦の影響でかなり治安が悪いことが分かりました。
危険度レベルも最大のレベル4で、世界平和度161位のワースト3位です。
しかしシリアには世界遺産や美味しい食べ物もたくさんあります。
観光時には武装組織に近づかないことや人が大勢集まりテロの危険が高い場所に行かないことが大切です。
早くシリアに平和な時代が訪れ、安心して観光できる日が来るといいですね。
以上シリアの治安はいい?悪い?観光時に注意するべき犯罪や安全点を紹介まとめでした。
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