【治安の前に】レバノンってどんな国?
レバノンは、「レバノン共和国」の正式名称を持つ国で、公用語にはアラビア語が使われています。
首都はベイルートで1943年にフランスから独立しました。
北から東にかけてはシリア、南にはイスラエルと国境を接しています。
レバノンには、標高900mのベカー高原が広がり、雪の積もった山と緑は「中東のスイス」と呼ばれています。
また、首都ベイルートでは、日本と同じように四季を感じることができ、春には綺麗な花、冬には山に降る雪を見ることができます。
首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれ、オープンカフェやブティックなどが立ち並びます。
高級ホテルやブティックの立ち並ぶエリアは観光客が多く訪れるエリアで、ダウンタウンのハムラ地区からは2008年に完成したばかりのモスクも見ることができます。
レバノンには、教会やモスクが多く、歴史的な建物を見たい観光客も多く訪れています。
さらに、レバノンには、世界遺産にもなっているビブロス遺跡があります。
紀元前3000年に作られた世界で一番古い都市国家のあった場所です。
このビブロスは、アルファベットの発祥になった場所ともいわれる歴史的にもとても重要な場所なのです。
さらに、遺跡だけでなく神殿もたくさん見ることができます。
レバノンの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
外務省では、海外の危険レベルを発表している海外安全ホームページというものがあります。
このホームページを見れば、自分が行きたい国の最新の治安情報がわかるとても便利なホームページです。
ここでは、レバノンの治安を知る前に、外務省が発表する危険レベルを見ていきましょう。
レベル1/黄色
レベル1は色分けされている中では、一番危険レベルが低く黄色で表されています。
このレベルは十分注意して渡航できるレベルです。
危険がほとんどないエリアは色が塗られていません。
レベル2/山吹色
黄色の次のレベル2が山吹色で表されたエリアです。
このレベルになると、不要不急の渡航は止めるべきレベルになります。
レベル3/オレンジ色
黄色の次はオレンジ色で表されたレベル3になります。
レベル3は渡航中止勧告が指定されているため、新しい旅行の計画は中止しなければいけないほど危険なレベルです。
レベル4/赤色
一番危険なのがこの赤色のレベル4です。
退避勧告がでるほど危険で、どんな理由や目的があっても行かないようにしなければいけないエリアになります。
レバノンの治安状況は?
レバノンは、日本からの直行便はなく、アジアや中東の都市を乗り継いで15から18時間ほどで行くことができる遠い場所です。
日本人にはあまりなじみがない国ですが、治安状況はどのようになっているのか見ていきましょう。
レバノンは、現在危険なエリアがとても多い状況になっています。
特に、シリアやイスラエルとの国境周辺は危険レベルもかなり高くなっています。
エリアによってテロの危険性があるエリアや、地雷の除去作業が進められているエリア、立ち入りが禁止されているエリア、観光ができるエリアなど、かなり治安の状況も違ってきます。
ここからは、危険なエリアごとに分けて治安状況をご紹介します。
首都ベイルートの治安状況は?
首都ベイルートの治安状況を見て行く前に、もし世界一周や周辺の観光で、レバノンとイスラエルをまわる予定の人は注意すべき点があります。
レバノンに入国の際にイスラエルに入国した記録が残っている場合(パスポートにイスラエルのスタンプが押されているなど)入国がスムーズにいかない場合があります。
さらに、所持品検査を受けた際にイスラエルへの渡航歴や渡航予定がわかるようなものが見つかった場合、取り調べを受ける場合もあります。
観光でレバノンに入国する際は注意してください。
それではレバノンの首都ベイルートの治安をみていきましょう。
ベイルートは、シリアやイスラエルの国境周辺エリアに比べると比較的安全です。
高級ホテルやブティックが立ち並ぶベイルートのダウンタウンエリアは、歩いていても安全に感じるエリアもあり、観光におすすめのエリアもあります。
まず、ベイルートの中心地には、内戦で工事がストップしながらも2008年に完成したばかりのモハメッド・アル・アミンモスクなどの観光スポットがあります。
美しいラピスラズリの丸い天井が特徴で、モスクが好きな人には特におすすめの観光スポットです。
レバノンはイスラム教が6割ですが、キリスト教も4割ほどいるため、ほかのアラブ諸国に比べるとアラブの雰囲気を感じないこともあります。
「中東のパリ」と呼ばれる美しい街並みを見ることができます。
そして、ベイルートから車で1時間半ほど進んだ場所には、世界遺産として登録されているティルスという場所があります。
ティルスは1984年に世界遺産に登録され、競技場や浴場などを見ることができます。
海に向かって並ぶ柱はとても美しく、ローマ時代の名残を見ることができます。
さらに、アンジャルという世界遺産もあり、こちらでもローマ時代の遺跡を見ることができます。
アンジャルは、8世紀ごろのウマイア朝時代の遺跡で、この当時の遺跡が残っているのはアンジャルだけなのです。
このエリアは、アルメニア人が多く住んでいることもあり、英語が比較的通じるため、観光もしやすいエリアでもあります。
ビブロスという世界遺産は、聖書(バイブル)の語源になったと言われている都市です。
ベイルートから車で40分と気軽に行ける場所にあり、フェニキア人の発祥の地で、フェニキア人が作った文字がアルファベットの元になったと考えられていて、アルファベットの発祥の地と言われている歴史上とても大切な場所です。
さまざまな時代の文化を見ることができるベイルート周辺は世界遺産がたくさんあり、見どころの多い観光エリアです。
とはいえ、危険なエリアもあるため注意が必要です。
ベイルートの中で一番危険なのが、ベイルートの南郊外にあるダーヒヤ地区です。
ダーヒヤ地区は、2015年の11月に自爆テロが発生しており、多くの犠牲者が出ました。
その後も過激派のグループによって、同じエリアへのテロ未遂も発生しています。
ダーヒヤ地区以外のエリアは、治安当局が徹底したテロの対策を行ってきました。
そのかいもあり、治安は安定してきています。
治安が安定してきているとはいえ、麻薬や銃などの危険な要素は残っているため安心はできません。
過去には、ベイルート郊外を夜に一人で歩いていた旅行者が強盗にあう被害が報告されています。
さらに、深夜に個人タクシーを利用した女性外交官がタクシー運転手に殺害される事件もありました。
深夜の一人行動は治安のいい場所であっても避けるべきです。
特に女性一人の場合はタクシーなどの乗り物に乗っても危ない場合があるため、夜には出歩かないようにするほうが安全です。
もしタクシーに乗る場合は、無線タクシーやホテルで呼んでもらったタクシーを利用するほうが安全だと言えます。
さらに、ベイルートの政府関連施設などでもデモが行われることもあるため、もしデモに遭遇した場合は現場に近づかないようにしてください。
政府関連施設や軍人、軍事施設の写真撮影は禁止されているため、もし無許可で撮影してしまった場合、拘束されるなどの処分を受ける場合もあるため、気をつけてください。
シリア国境沿い
シリアと国境を接しているレバノン北部や東部では、危険レベル3の渡航中止勧告が出ている大変危険な状況です。
この地域は、軍によって警戒監視が強化されており、一般人の立ち入りができなくなっている場所もあります。
不審者だとみられると拘束される場合もあるため、絶対に近づかないようにしてください。
パレスチナ難民キャンプ内やその周辺では銃撃戦が起きています。
さらに手りゅう弾も確認されているのでかなり危険です。
レベル3に指定されているエリアでは、シリアから避難している人たちが非公式で住んでいる場所もあります。
避難民を装ったテロリストが潜んでいる場合もあるため、一般人の立ち入りは禁止されています。
そして、シリアとの国境付近には、一番危険なレベル4に指定されるアルサールというエリアがあります。
アルサールは、過去にイスラム過激派組織のISILが占拠していた大変危険なエリアです。
しかし、2017年にはレバノンの国軍が掃討作戦を実行に移しています。
ISIL掃討作戦は成功しましたが、2019年現在も地雷の除去作業や捜索活動が行われている大変危険なエリアです。
絶対に近づかないようにしなければいけません。
さらに、シリア国境から少し離れたバールベック遺跡周辺も治安当局が対策を強化しているエリアです。
治安対策の強化のおかげで一般人が巻き込まれる事件の発生がかなり少なくなっています。
そのため、バールベック遺跡周辺のエリアは、これまで危険レベル3だったのがレベル2に危険レベルが引き下げられました。
しかし、レベル2になったから安全になったわけではありません。
バールベック遺跡の周辺には、国連軍の展開地があり、一般人は入れないよう立ち入りが制限されている場所もあるため、このエリアには目的なく立ち寄らないようにする必要があります。
イスラエル国境周辺
イスラエル国境周辺も危険なエリアとして指定されています。
イスラエル国境付近では、レバノン軍や国連軍の展開地があり、高いレベルの警戒態勢がひかれています。
しかし、イスラエル国境付近もシリア国境周辺と同様、地雷や不発弾がまだ残っているとされており、今でも地雷の除去作業が進められています。
治安の悪いレバノンでも気をつけるべき犯罪6選
レバノンは、治安の悪い場所が多く、犯罪もスリやひったくりなどの命の危険が少ない一般犯罪よりも、殺人やテロなど命を失う危険が非常に高い凶悪犯罪が危険です。
事前に治安情報を知り、対策をすることで防げる犯罪もあるため、レバノンに渡航予定がある場合はしっかりチェックしておきましょう。
気をつけるべき犯罪①:強盗
レバノンでは、過去に深夜一人で歩いていた旅行者が強盗にあう事件が発生しています。
海外旅行では、治安がいい悪いにかかわらず、一人で深夜に出歩くことは大変危険です。
女性の場合はもちろん、男性であっても深夜の外出は避け、昼間であっても、一人での外出は避けたほうが安心です。
深夜の外出、一人歩きを避けるだけで強盗にあう可能性は低くなります。
深夜の外出の場合、強盗にあうだけでなく、誘拐や殺人の危険性も出てくるため、絶対にしないようにしましょう。
気をつけるべき犯罪②:デモ
首都のベイルートなどの都市部では、幹線道路や政府関係の施設でデモが起こることがあります。
デモが起きた場合は、近づかないようにすることが大切です。
気をつけるべき犯罪③:発砲事件
レバノンでは、過去に内戦が起きた時に、隠されている銃が一般に存在しているため、なにかトラブルなどが起きた時に、発砲事件が発生する可能性もあります。
さらに、犯罪組織やグループ同士での抗争が銃撃戦に発展するケースも報告されています。
危険エリアでの銃撃戦は、危険エリアに近づかなければ巻き込まれることはないため、危険エリアには近づかないようにしてください。
レバノンでは、お祝い事などいいことがあるときに、祝砲として実弾を空に向けて発砲するという習慣があります。
この発砲で死傷者が出ているため、祝砲が打たれる学術試験の結果が出る時期や大晦日は注意が必要です。
気をつけるべき犯罪④:殺人
首都ベイルートでは、深夜に海外から来た女性外交官がタクシーの運転手に殺害される事件が発生しました。
男性はもちろん女性一人なら特に、深夜の行動は避けるようにしてください。
また、タクシーに乗る場合は個人タクシーではなく、無線タクシーやホテルに呼んでもらうなど、信頼できるタクシーを利用するようにしましょう。
気をつけるべき犯罪⑤:テロ
レバノンは、過去にアルサールという地域にイスラム過激派組織であるISILがいたエリアです。
現在はレバノン国軍によるISIL掃討作戦によって、ISILの関係者は一掃されテロの発生もかなり少なくなりましたが、現在も過去に仕掛けられていた地雷が爆発する事件などが発生しています。
引き続き軍の地雷除去作業や捜索活動は継続されています。
さらに、シリアからレバノンへ避難してきた人たちが非公式で住んでいるエリアがあり、避難民に扮したテロリストを警戒しています。
さらに、首都ベイルートの南に位置するダーヒヤ地区では2015年に自爆テロが発生しており、たくさんの犠牲者が出ています。
その後もテロ未遂が確認されているため、危険です。
レバノンの治安当局が管轄外である、パレスチナ難民キャンプ内にも、テロリストが身を潜めている可能性があると言われています。
気をつけるべき犯罪⑥:誘拐
レバノンで起こる誘拐事件は、レバノン人やシリア人の富裕層がターゲットになっていて、目的は身代金の場合がほとんどです。
近年は誘拐の発生率は減ったものの、過去には外国人が対象になった犯行もあるため、注意が必要です。
件数が減ってはいるのと、ターゲットは現地の富裕層であることから、日本人観光客は危険が少なく見えますが、警戒しておくほうがいいでしょう。
治安の悪いレバノンでも注意するポイント12選
ここでは、治安の悪いレバノンで注意するべきポイントをご紹介します。
旅行の際は十分と注意してください。
注意するポイント①:レバノンの最新治安情報を常に確認する
レバノンは、シリアやイスラエルの国境付近は特に、現在も危険な状況です。
テロの危険性や地雷がまだ残っている危険なエリアも多くあります。
レバノン軍や国連軍が警戒しているエリアで一般人の立ち入りが制限されているエリアもあるため、危険な場所には絶対に近寄らないようにしてください。
注意するポイント②:周辺国の最新治安情報も確認する
レバノンの周辺国、シリアやイスラエルでも現在は深刻で危険な状況が続いています。
周辺国への旅行を計画している場合はもちろん、レバノンだけしか旅行に行かない場合でも、周辺国の最新治安情報を入手しておくことは治安対策になります。
さらに、レバノン入国の際に、パスポートのスタンプや航空券など、イスラエルに入国していた記録が確認された場合、スムーズにレバノンに入国できない場合があります。
もし、イスラエルに入国した記録が見つかった場合、取り調べを受ける場合もあるため、注意していください。
レバノンとシリア、イスラエルの国境付近は現在もかなり危険な状況です。
レバノンの治安当局が管轄外になっているパレスチナ難民キャンプ周辺では、銃撃戦が発生していたりしています。
そして、シリアから避難し、レバノンに非公式でシリア人が住んでいるエリアも、避難民に扮したテロリストが潜んでいる危険性もあるため、国境周辺など危険なエリアには絶対に行かないようにしてください。
注意するポイント③:高価なものは身につけない
レバノンの中でも比較的治安がいいと言われているのが首都ベイルートです。
ベイルート周辺は遺跡やモスク、神殿などさまざまな観光スポットがあり、今でもたくさんの観光客が訪れるエリアです、
レバノンで観光スポットに訪れる際は、高価なものは身につけないようにしてください。
強盗などの一般犯罪も発生しているため、高価なアクセサリーやブランドバッグを持っているとターゲットになり得るため、大変危険です。
さらに、近年はレバノン人やシリア人の富裕層を狙って、身代金目的の誘拐も発生しています。
高価なものを身につけていると、お金を持っていると思われるため、身代金目的の誘拐のターゲットになることも大いに考えられます。
最近は旅行客をターゲットにした犯行も報告されているため油断はしないでください。
注意するポイント④:政府関係機関などの写真を撮らない
レバノンでは、政府関連施設や軍人、軍事施設など写真撮影が制限されているものが多くあります。
こういった政治関連施設などを許可なく写真撮影した場合、拘束される可能性があります。
日本人観光客は、写真を撮ることが日常的になっているため、知らずに写真撮影が制限されている建物などを撮影してしまう可能性もあります。
事前に写真撮影が制限されているものをしっかりと調べたり、写真を撮影する際に、写真を撮っていいのか聞くなど、レバノンのルールをしっかりと守って写真を楽しむようにしましょう。
注意するポイント⑤:危険なエリアに立ち寄らない
すでに解説しているとおり、レバノンには危険なエリアに指定されている場所がたくさんあります。
特に、シリアやイスラエルの国境付近はレベル3や4の非常に高いレベルの危険レベルが指定されています。
危険なエリアは銃撃戦や地雷、テロなど命にかかわる危ない場所もあるため、事前に治安情報や危険なエリアの情報を調べて、危ない場所には近寄らないようにしてください。
注意するポイント⑥:目立つ服装をしない
目立つ服装は、高価なものを身に着けているのと同じで、強盗などのターゲットにされやすくとても危険です。
目立つ服装をしているだけで、行動ルートがよまれてしまったりと危険な状況になりやすいです。
レバノン旅行中は、目立った服装はせずに、シンプルで目立たない服装をすることも大切です。
注意するポイント⑦:現金はたくさん持ち歩かない
首都ベイルートでは、観光客が強盗にあう被害も報告されています。
現金をたくさん持ち歩いている場合、もし強盗にあってしまったときにすべて持っていかれてしまいます。
現金はホテルの金庫などに保管し、その日1日に必要な現金だけを持ち歩くようにするだけで、被害を最小限に抑えることができます。
さらに、持っている現金は分散させて持っておくほうが安全です。
可能であれば、セキュリティポーチを洋服の下につけておいて現金を入れておけば、強盗にあって荷物が盗まれてしまっても被害を免れることができる可能性があります。
防犯対策、安全対策をしっかりと行っておくだけで被害を少なくすることは可能です。
注意するポイント⑧:深夜に出歩かない
首都ベイルートでは、昼間は観光客も多く問題ない場合もありますが、深夜には絶対に出歩かないようにしてください。
過去に、深夜のベイルート郊外を一人で歩いていた旅行客が強盗にあう被害も報告されています。
深夜は視界もさえぎられるうえ、街灯が少ないエリアだとほとんどなにも見えない場合もあります。
最悪の場合、強盗被害だけでなく殺人の可能性もあるため、一人では出歩かないようにしてください。
注意するポイント⑨:一人歩きをしない
レバノンでは、一人歩きはしないほうがいいです。
特に、深夜の一人歩きは絶対にしないようにしてください。
過去にも深夜の強盗被害が起きています。
昼間であっても、女性は特に一人歩きをしないほうが安全です。
レバノン旅行中は、日本にいるときよりも警戒心を強く持ち、危険なエリアに立ち寄ったり、危険な行動をしないようにしましょう。
注意するポイント⑩:タクシーに乗るときは信頼できるタクシーを使う
深夜に一人でタクシーに乗った女性が、タクシー運転手に殺害される被害が報告されています。
タクシーは個人タクシーを利用するのはとても危険なため、無線タクシーやホテルに呼んでもらったタクシーを利用するようにしてください。
そして、女性一人や女性だけの場合、深夜のタクシーの利用は避け、できるだけ明るいうちに行動するのが安全です。
できるだけ日が落ちて暗くなってからは行動しないようにしてください。
注意するポイント⑪:相手の宗教や文化を尊重する
レバノンでは、キリスト教やイスラム教などさまざまな宗教や宗派があります。
さらに、宗教や宗派が大きく政治に関わっています。
他のアラブ諸国ではアルコールがほとんどない国もありますが、レバノンはキリスト教徒も多いためか、アルコールを出しているお店もたくさんあります。
さらに日本食レストランも多く、お寿司などを食べることもできます。
多民族国家であり、それぞれの文化が尊重されています。
レバノンに旅行に行ったら、彼らの宗教や文化を尊重するようにしましょう。
注意するポイント⑫:強盗にあってしまったら抵抗しない
レバノンの首都ベイルートでは、強盗の被害も報告されています。
もし、レバノン旅行中に強盗にあってしまった場合、抵抗はしないようにしてください。
常に命の安全を第一に考え、金品を要求された場合は、現金など言われたものを犯人に渡すようにしてください。
ポケットに手を入れる行為は、武器を出すと勘違いされることもあるため、注意してください。
治安の悪いレバノン、戦争の危険性はある?
現在は、戦争の危険性よりもテロの危険性があるレバノンですが、過去には大きな内戦がありました。
それが「レバノン内戦」で、1975年から1990年の15年間にわたり続いた大きな内戦です。
規模が大きかったため、「第5次中東戦争」とも呼ばれています。
過去にフランスから独立したときからキリスト教とイスラム教の争いは絶えませんでした。
そこにパレスチナ解放機構の勢力がからんだのがレバノン内戦です。
キリスト教対イスラム教とパレスチナ人の戦いでしたが、途中からシリアがキリスト教側につきました。
このとき、アルメニア人は内戦には関わらず、中立の立場を貫いていました。
このレバノン内戦の結果、首都ベイルートは破壊され、テロの増加をもたらすようになりました。
その後に起きたのが2006年のレバノン侵攻です。
レバノン侵攻は、シーア派の非国家軍事組織であるヒズボラのイスラエルとレバノンの国境侵犯攻撃によって始まった戦いです。
その後は、ミサイルを撃ったり地雷を踏んで死者が出るなどし、ベイルート南郊やシリアの北部国境周辺が大きな被害にあっています。
この内戦のイスラエル軍によるレバノンへの攻撃の死者のうち45%がこどもだったことが発表されています。
その後停戦という形で終わっていますが、イスラエル側は目的が達成できていないため、作戦に対する批判が高まり、当時の首相や政権は力を失う結果となりました。
治安の悪いレバノン、テロの危険性はある?
レバノンは、過去の内戦や侵攻によって、テロの危険性は増加しています。
現在、レバノンはシリア情勢の影響は受けていますが、レバノン国軍や治安機関によって監視が強化されているため、治安対策の効果が出ています。
さらにアルサールがISILに占拠されていましたが、2017年には掃討作戦が成功し、レバノンの治安状況は大きく改善されました。
現在も地雷の除去作業や、テロ組織の過激派メンバーの捜索活動などが続けられています。
そして、パレスチナ難民キャンプではテロ組織が潜んでいる可能性もありますが、パレスチナ共同治安部隊とレバノン国軍によって、連携強化がさらに強くなり、テロ関連の犯人が逮捕されるなどの結果も出てきており、キャンプ内に潜伏するのもだんだん難しくなって生きているとの報告も出ています。
また、レバノンではまだ日本人のテロ被害は出ていませんが、シリアなどの周辺国では、日本人が殺害されるテロ事件も発生しています。
ほかの日本人に有名な国でも、観光地など多くの一般市民が集まる場所でのテロや、単独犯の犯行も報告されているため、レバノン内でもテロの可能性があると認識したうえで、最新情報を入手しておくことが大切です。
レバノンは治安の悪いエリアも多い国
レバノンの治安や、観光時に注意するべき犯罪などをご紹介しました。
レバノンは、シリアやイスラエルと国境を接する地域は危険レベルが高くなっています。
国軍や治安対策部隊によって、昔に比べると危険レベルが引き下げられるなどだんだんと治安も安定方向に向かってきてはいますが、まだまだ十分な注意が必要な国です。
レバノンに旅行する際は、最新の治安情報やテロ情報を入手して訪れるようにしましょう。
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