【治安の前に】カタールってどんな国?
日本人にとってあまり馴染みのないカタール。
中東のアラビア半島の東部に位置し、ベルシャ湾に面しています。
面積は約11,427平方キロメートルで、これは秋田県よりも少し小さい面積に相当します。
よく間違われやすいのですが、カタールは国の名前、そして首都がドーハです。
日本からカタールまでは直行便で約14時間30分程で到着します。
日本とカタールの時差は6時間で、日本の方が進んでいます。
中東と言われると、一面に広がる砂漠をイメージするのではないでしょうか。
実はカタールはそんなイメージとは大きく異なり、近代的な高層ビルが沢山立ち並ぶモダンな都市に約271万人の人が住んでいます。
砂漠の真ん中に位置していますが、至るところに緑が多く、想像するよりも自然豊かな国です。
カタールは世界有数なお金持ち国家で、約2017年度には国民一人当たりのGDPが世界1位であることが発表されました。
石油や天然ガスなどの天然資源が非常に豊富で、まさに「砂漠のオアシス」です。
空港やホテルそして街中でも英語が通じる、クローバルな国で観光にもおすすめです。
カタールの治安を知る前に外務省が発表する危険レベルをおさらい
初めて訪れる国へ旅行する際には必ず、「外務省 海外安全ホームページ」を確認しましょう。
「外務省 海外安全ホームページ」では世界中の治安情報について、危険度レベルを4つに分けた地図を公開しています。
安全情報を一目で見ることができるので、旅行の前にはとても便利です。
レベル1/黄色
黄色で示されている国や地域は、「危険度レベル1:十分注意してください」です。
カタールのお隣の国サウジアラビヤやバーレーンなど、ほとんどの中東諸国がこのレベルに匹敵します。
このレベルの国や地域へは旅行へ行く方も多くいますが、渡航や滞在に当たり、危険を避けるために十分に注意が必要です。
レベル2/山吹色
山吹色の国や地域は「危険度レベル2:不要不急の渡航は止めてください。」です。
「必要のない渡航はするべきではない。」というものです。
観光という目的であれば、延期するか行き先を変更することをおすすめします。
レベル3/オレンジ色
オレンジ色の国や地域は「危険度レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」です。
必要に応じて、その国や地域に滞在中の方は退避する必要があり、海外旅行には行くべきではないということです。
中東諸国の中では、イランやイラクなどの一部地域がこのレベルに匹敵します。
もし旅行をすでに計画している場合であっても、この国や地域への旅行は中止しましょう。
レベル4/赤色
そして最後に、赤色の国や地域は「退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」です。
中東諸国の中では、イエメン、シリアやイラクの一部地域などが現在このレベルに匹敵します。
赤色の国や地域に滞在している方は、安全な国や地域に退避する必要がある、緊急度が最も高い状況です。
いかなる目的であれ渡航は避けなければいけません。
カタールの治安状況は?
気になるカタールの治安ですが、外務省のホームページによるとどのレベルにも当てはまらない「危険ではない国」と言えます。
外務省のホームページでは4段階で危険度レベルを表記していますが、カタールは真っ白でした。
つまり、渡航するのに危険ではない国で、観光にも適しているということです。
隣国の治安情勢と比べると、中東諸国の中ではカタールのほか、アラブ首長国連邦とオマーンが同じ状況です。
カタールはGDPが世界一となったよう非常にお金持ちの国なので、もともと治安は悪くありません。
他の中東諸国に比べると物乞いなどもおらず、街を歩いていても身の危険を感じることはありません。
話題となった国交断絶問題もありましたが、カタールの治安そのものには大きな影響はないと言っていいでしょう。
2020年のワールドカップ開催に向けても、国を挙げて治安の維持に力を入れているということもあり、治安が保たれているのでしょう。
「中東=治安の悪い国」というイメージになってしまいがちですが、カタールは治安のいい国なのです。
首都ドーハの治安状況は?
驚くべきは、カタールの中でもドーハは更に治安がいいということです。
トルコのような無理矢理な客引きもほとんどな無く、日本人の私たちでも安心して観光を楽しむことができます。
カタールの中でも首都のドーハの治安がより良い理由は、最近海外からの企業がドーハに参入したり、日本企業も多くドーハに支社を置くようになったためです。
その為、街の国際化が進むにつれて、更に治安も更に良くなっているということです。
高層ビル街に慣れている日本人は、街にもすぐに溶け込むことができます。
しかし平和なで暮らす私たち日本人は、スリなどのターゲットにされることがよくあります。
観光の楽しさから、我を忘れて街を散策し、気が付いたらスリに合っていたなんていうことが無いように気を付けましょう。
日本とは違う「自分の身は自分で守るという」という意識をしっかりと持つことが大切です。
治安のいいカタールでも気をつけるべき犯罪5選
カタールは治安のよく、海外旅行に適した国です。
とはいえ、日本とは違う環境であることを理解しなければいけません。
治安の良いカタールでも、気をつけるべき犯罪についてお話しします。
気をつけるべき犯罪①:スリ
カタールは近年、急速な経済成長を見せており、高層ビル建築も驚くほどのスピードで進んでいます。
その為、ビル建設業に関わる単独労働の外国人が多く在住しており、海外からの人口流動により、スリなどの犯罪がドーハの一部地域で多発しています。
言うまでも無く、海外からの単独労働者が全員そのような犯罪を犯しているわけではなく、ほんの一部の例外の人たちが引き起こしている犯罪です。
常習犯のスリグループが検挙されるなど、国を挙げて取り締まりを強化しております。
しかし、残念なことに未だに被害の報告が後を絶たないのも事実です。
人通りの多い場所では特に注意を払うなど、日本にいる時以上に周囲に用心しましょう。
気をつけるべき犯罪②:置き引き
置き引きも、スリと同様に海外からの単独労働者の増加により増えた犯罪です。
レストランやカフェなどで少し席から離れた時や、少し離しただけで荷物が盗まれているという、一瞬のうちに起こります。
また荷物から目を離していないつもりでも、椅子の背もたれに荷物をかけていたり、足元に荷物を置いておくなど日本では日常的に行ってしまう行動も大変危険です。
油断しているとターゲットになってしまう可能性が高いです。
日本人は置き引きへの危険意識が低く、海外に比べると日本での置き引き被害が少ないのも事実です。
そんな習性を知ってか、日本人はターゲットとして常習犯から狙われやすいのです。
荷物から目を離さない、体に荷物を身につけている、ということを常に心がけましょう。
気をつけるべき犯罪③:ひったくり
スリ・置き引きに続き、後を絶たない犯罪がひったくりです。
ドーハ市内で特に多発しています。
中東ならではの酷暑の気候の為、ドーハでオートバイを運転する人ははほとんどいません。
その為、ひったくりもオートバイによるものではなく、歩いている時すれ違い際にカバンを奪うという、徒歩によるケースがほとんどです。
ハンドバックの使用には十分に気をつけたほうが良いでしょう。
できることなら、肩にかけるタイプなど身につけるタイプのカバンの使用をおすすめします。
気をつけるべき犯罪④:暴行事件
2016年に旅行中のオランダ人女性がレイプされるという事件が日本でもい多く気取り上げられました。
この女性の訴えでは、クラブによる出かけた際に出されたお酒を一杯飲んだ後から記憶がないとのことでした。
女性側と男性側の主張が食い違い部分もあり、真実は闇の中に葬られていますが、この事件から言えることは女性一人では夜に外出しないほうが身の為であるということです。
とはいえ、旅行先で開放的になる方が多いのも事実です。
慣れないで旅先での夜の外出は特に、知り合いと複数人で行くことをおすすめします。
気をつけるべき犯罪⑤:ぼったくり
急速な経済成長を見せているカタールは、観光産業にも力を入れており観光客は増加傾向にあります。
そして、観光客が多く集まるドーハでは特にぼったくりにも注意が必要です。
初めてのドーハ観光で旅慣れていないことが相手に伝わると、本来払わなくていい金額を請求されることもあります。
例えば、タクシーではかなりの回り道をされてしまい高額を請求されたり、レストランで頼んでもいないメニューが料金に追加されていたりする被害も報告されています。
観光客があまり訪れないレストランなどでこのような被害が発生するケースが多いようで、旅なれないうちは観光客が多いレストランに行くなどローカルの人のみが集まる場所は避けたほうが良いでしょう。
現地の人と一緒にいるとこのような被害にはあいにくいため、観光客が少ない場所に行く際は現地のツアーガイドさんを探すなど工夫をしましょう。
治安のいいカタールでも注意するポイント10選
治安は比較的良いカタールですが、日本とはまるで違う環境です。
現地の方の文化を尊重するためには、観光する際にいくつか注意するべきことがあります。
注意するポイント①:カタールについてよくリサーチを行う
カタールに限らず、海外旅行前には行き先についてのリサーチを行うことが大切です。
観光地やグルメ情報などを調べる前に、まずは「外務省 海外安全ホームページ」を確認し、観光に適しているのか確認しましょう。
そして、その国の危険な地域はないかどうか確認することが大切です。
「自分の身は自分で守る」という安全に対する意識をしっかりと持つ必要があります。
注意するポイント②:手荷物を肌身離さず管理する
少しの油断が取り返しのつかない事態になる場合があります。
せっかく楽しいはずの旅行で、盗難被害やスリなどの犯罪に巻き込まれたくはありません。
カフェやレストランなどで席取りの為に荷物を置いて離れるということを、日本ではついやってしまいますが、カタールでは絶対に手荷物は肌身離さないようにしてください。
足元に荷物を置いていても、スリにあう場合があります。
日本とは違う環境であることを理解し、警戒心をもちましょう。
注意するポイント③:夜一人での外出は避ける
治安は悪くないとはいえ、男女問わず夜一人での外出は危険です。
慣れない街では犯罪のいいターゲットにされてしまう可能性も高いです。
複数人であっても、特に人通りの少ない通りは避け観光客で賑わうような人通りの多い通りを選びましょう。
好奇心から夜の街へ一人繰り出したくなる場合もあるかもしれませんが、後悔する事態を招く可能性もあります。
注意するポイント④:タクシーに乗る際は明確に行く先を伝える
旅不慣れな観光客であるとタクシー運転手さんに伝わると、回り道をされて高額を請求される場合も報告されています。
トラブルを避ける為にも、タクシーに乗った際は最初に行き先を明確に伝えてください。
また、一人で慣れない土地でタクシーに乗ることも避けたほうがよいです。
注意するポイント⑤:財布や貴重品をむやみに出さない
財布やクレジットカード、そしてスマートフォンやカメラなどの高価なものはむやみに人目にさらさないようにしましょう。
大勢の人の前で財布やクレジットカードケースを出すことも大変危険です。
スリやひったくりなどの犯罪者はこういう瞬間を影から見ており、その後気がついたら財布やクレジットカードがないというケースもあります。
また、日本では当たり前に行っている方も多い歩きスマホも狙われる対象となり得ます。
周囲によく注意して行動しましょう。
注意するポイント⑥:食材に気をつける
旅先で日本食が恋しくなり、寿司などを食べる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、生の海鮮は避けたほうが良いです。
そして、水道水も飲むことはできないのでミネラルウォーターを購入しなければいけません。
またカタールは酷暑の国なので、基本的にフルーツや野菜はすべて輸入ものです。
スーパーマーケットなどで、フルーツや野菜などの食材を購入する時にごく稀にカビが生えていることがあります。
購入する時にコンディションをよく確認し、口にする前に必ず洗いましょう。
お腹が弱い方は特に、常備薬を日本から持参することも大切です。
注意するポイント⑦:宿泊先のホテルでも貴重品管理には気をつける
高級ホテルに宿泊する際は、あまり心配する必要はないですが、貴重品の管理は常にしっかり行いましょう。
ホテルだからといって安全とは限りません。
疑いたくはありませんが、清掃員の方が貴重品を盗む可能性も十分にあります。
むやみに貴重品を放置しての外出はやめましょう。
お部屋のセーフティーボックスの活用がおすすめです。
注意するポイント⑧:イスラム教文化について理解を深めておく
カタールは厳格なイスラム教の国で、日本人の私たちにはあまり馴染みのない決まりが数多く定められています。
夏にはラマダンと呼ばれる断食月の期間中は多くの飲食店が閉店しており、トラブルを避ける為にも人目につく公共の場所での飲食や喫煙は避けましょう。
また、女性の水着や肌の露出の多い写真や、違法なポルノ雑誌やDVDなどの持ち込みや所持は法律で禁止されています。
取り締まりは非常に厳しく、例外は存在しないとまで言われています。
日本を出発する前に、イスラム教についての学びを深めておくことを強くおすすめします。
注意するポイント⑨:写真撮影
写真撮影は観光中の楽しみの中の一つの方も多いですが、カタールでは写真撮影に注意しなければいけない場所が数多く存在します。
空港、警察、軍事施設や政府関係の施設を写真撮影する場合は特別な許可申請が必要です。
撮影禁止区域で知らずにうっかり撮影してしまうと、カメラを取り上げられるだけではなく警察に連行されてしまうこともあります。
今までにも悪気なく撮影禁止区域を撮影してしまい、身柄を拘束された日本人も何度もいます。
身柄を拘束されると最悪の場合、日本への帰国が危ぶまれる危険性もあります。
一つの軽はずみな行動が、思わぬ事態を招いてしまいます。
トラブル回避の為、「NO PHOTOGRAPHY」という看板がないか確認してから撮影しましょう。
また、女性の写真を撮影する場合は勝手に撮らずに必ず相手に許可を求めてから撮影してください。
見慣れない衣装をまとった女性を撮影したくなる気持ちも理解できます。
しかし写真撮影に対し保守的な考えの方が多いカタールでは、無断でアラブ人の女性を撮影することは大きなトラブルの原因となることがあります。
景色を撮る時に、女性が写り込んでしまいそうな時など、相手に誤解を与えないように配慮することが大切です。
注意するポイント⑩:露出の多い服装は避ける
イスラム教の国では女性の服装についての規則があり、中でもカタールでは短パンやランニングシャツ、ミニスカートなどの露出度の高い服装は禁止されています。
観光客の水着の着用にも制限があるビーチもあります。
夏には40度を超える厳しい暑さにもなり、それは例えるのであれば、まるでサウナの中にいるような感覚です。
しかし、酷暑だからといって規則を破ることは問答無用です。
男性、女性問わず露出の多い服装や体型がくっきりと出てしまう服装は控え、現地に住むイスラム教徒の方々へも敬意を払いましょう。
ショッピングモールなどで露出の多い服装をしていると、警備員に注意されたり施設によっては入館すら拒否されることもあります。
せっかくの海外旅行で、服装が原因で立ち入れないだなんて残念すぎますよね。
イスラム教を尊重する、カタール観光に相応しい服装を心がけましょう。
注意するポイント⑪:飲酒についての知識を持って行動する
イスラム教のカタールでは、飲酒やお酒の製造や販売は原則禁止されており、観光で訪れた際も所定の場所でしかお酒は楽しめません。
これを聞いてがっかりする方も多いかもしれませんが、ホテルのバーや一部のレストランではお酒を楽しめる場所もあります。
お酒好きな方は事前に飲酒できるバーなどを下調べしておきましょう。
注意するポイント⑫:喫煙のマナー
カタールでは喫煙に対して厳しい法律があります。
公共の場では喫煙禁止とされ、ショッピングセンターなどの商業施設、映画館、交通機関や教育施設などで喫煙した場合多額の罰金を支払わなければいけません。
観光客向けのホテルでの喫煙は、許可されていることが多いので宿泊する際は利用するホテルで喫煙可能な場所を確認するのも一つの案です。
治安のいいカタールで、戦争の危険性はある?
2017年、UAEやサウジアラビアなどのアラブ国6カ国と、突然の国交断絶関係となり世界中に衝撃を与えたカタールですが、カタールはあくまでも調和路線を訴え続けていました。
しかし2019年になり、OPEC(石油輸出国機構)を脱退することを発表しました。
OPEC加盟国の中でも主要国とされているサウジアラビアとの政治的な関係性が悪化した事も脱退の決断に至った一つの理由とも言われています。
国交断然に続き、OPECの離脱を表明しことで、石油国とされるアラブ諸国の摩擦も強まる恐れが強くなっています。
今すぐ戦争が勃発する可能性は極めて低いですが、緊張感のある政治関係がアラブ諸国の中で続いていることは間違いありません。
カタールへの旅行を検討中の方は特に、カタールを含むアラブ諸国の情勢には常にアンテナを張って情報収集すると良いでしょう。
治安のいいカタールで、テロの危険性はある?
カタールでは、これまでに日本人や日本権益を標的としたテロ事件は起こっていません。
しかし近年、世界中の様々な国でイスラム過激派組織によるテロ事件が起こっていたり、このようなテロ事件に影響を受け更に連鎖的にテロ事件も起こすというケースも発生しています。
また、日本人の観光客が多く訪れる国で日本人を標的にしたテロ事件が発生するなど、カタールの治安が悪くないからといって油断してはいけないのが現実です。
世界中どこにいても、100%安全が保障されている場所はありません。
そして残念ながら、いつ、どこで、どのタイミングで発生するのか、想像することができません。
現在の情勢を十分理解して、テロを含む事件に遭遇したり、巻き込まれることのないように最新情報を常に手に入れることができるような環境を整えておくのが大切です。
カタールに限ったことではありませんが、旅行する際は危機管理意識をしっかりと持ちましょう。
「カタールの治安はいい?悪い?観光時に注意するべき犯罪や安全点を紹介」のまとめ
カタールの治安情報や、旅行の際の注意事項などをご紹介いたしました。
カタールは治安維持の為、国が非常に力をいれています。
そのため、中東に旅行したいと考える方には、是非ともおすすめしたい国です。
2020年のワールドカップ開催に向け更に、新しい観光スポットや観光客が増え人々を魅了していくことでしょう。
これからのカタールに目が離せませんね。
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